また日記を書こうと思う

突然だけど、また日記を書こうと思う。

 

日記といっても、もちろんただ日々の出来事を書くこともあるだろうが、

それ以上になにかを推薦する文章を多く書くことになりそうな気がしている。

 

いつか文章を書いてお金をもらう仕事に就けたら最高なのだけど、

そしたらわたしの書く文章の裏には何かが透けて見えるようになってしまうかもしれない。

その前に、本当に良いものたちについて、記録を残しておきたいのだ。

 

どうでもいいけど、いまこの文章を書きながら、日本語が不自由になってきたのを感じている。

実験的に、韓国語でも同じ内容を書いてみようと思っているので、興味がある方はぜひそちらも参照されたし。

小さくて安い 韓国にて

最近Youtube LIVEが楽しい。

 

 

元々は「新しいオンライン飲み会の形を模索したい」という名目で始めた放送だった。

オンライン飲み会はまだわたしの中で、なんともいえずよそよそしいシステムで、外から覗き込んだりとかできないので遅れたら入りづらいし、決まったメンバーしか基本的に来ることがないし、とにかく気が重かった。

その点、わたしが勝手に放送しているLIVEに暇な人が顔を出してくれるシステムならば、強制力がないので気楽だし、わたしを介して友人たちが知り合うオフラインの醍醐味みたいなものも実現できるかなと思ったのだ。

 

全部過去形で書いてる時点でお察しの通り、目論見は半分くらいは外れてしまった。

文字を打ち込むのは直接喋るより時間を要するし、おまけに時間がかかると人間は推敲したくなってくるたちなので、当たり前ながら滑らかに会話をすることは難しい。時間の流れるスピードが食い違っているという感じがある。

加えて、やはりどうしてもLIVEをしている側が主体になってしまうのだ。

「せっかく来てもらっているのに申し訳ない」という謎のホスピタリティが生まれ、できるだけ間の悪い沈黙は作らないようにしようとし始める。

すると、より一層チャットの側から自発的に話を持ち出すということが難しくなってくる。

LIVEはあくまで双方向のコミュニケーションではなく、サーバーとそこにアクセスするパソコンみたいな関係性なのである。?

 

 

しかし想定外の失敗があれば想定外の成功もあるものだ。

 

まず、ひとりで喋るということの楽しさがだんだん掴めてきた。

ラジオパーソナリティーみたいと素人がふんふん鼻を鳴らしながらいうのもなんだけど、本当にそんな気持ちになってくる。

チャットという、より瞬時に目に入る形でレスポンスが返ってくること、そしてユニーク視聴者数が目で見て把握できることで、「いまこれを聴いてくれている人がいるのだ」という実感が強く湧き、その誰かにむけて喋るモチベーションが生まれる。

最も、視聴者はタイミングによっては0人だし、アンチコメントを弾いてくれる大人もいないので、距離が近いということは逆に言えば自衛が必要だということでもある。

 

そして、オンライン飲み会では会えなかったかもしれない友達がふらっと観にきてくれるのも嬉しい。

LIVE配信ならべつに2時間一緒にいなくたっていいのだ。次の用事の前の5分、10分だけ遊びに来る、そういうフランクな感じがいい。オンライン飲み会との大きな違いは、観る側になんの準備も必要ないことである。

「家族で食事をしながら観ていた」と言われたのがいちばん面白かった。使い方がもはやテレビのそれである。飲み会にインタラクティブな面白さは敵わねど、受動に徹せることで参加のハードルは低くなり、結果多くの友人と「会え」ているという意味では成功だといってもいい。

 

 

で、これは全部前置きだったのだけど。

先日、わたしにしては少し珍しい放送をした。

 

これまではただ駄弁っているだけだったのだけど、この日は何か食べようにも食欲が湧かなくて、折角ならと友人からもらっていたリクエストを消化してみることにしたのだ。

 

家の近くに無人のアイス販売所があって、朝の10時から深夜3時まで煌々と明かりがともり、老若男女のアイス欲を健気に満たしつづけている。

狭い店舗内には腰くらいの高さの冷凍庫が4台並び、数えきれない種類のアイスがもりもりに詰まっている。

全部一気に紹介したい気持ちもあったが家の冷凍庫に入り切らず、結局その中から最も安い、日本円にして40〜50円(!)のアイスを総ざらいして食べ比べてみるという企画に相成った。

 

 

食べてみて分かったのは、韓国のアイスの「丁度良さ」である。

 

 

価格設定からしてまったく期待していなかったのだが、もちろん駄菓子っぽい良さのあるアイスもありつつも、大半は驚くほどにクオリティが高い。

たとえば、アイスのなめらかさ。

ミルク系アイスが口当たりよいのは勿論のこと、特筆すべきはシャーベットである。

特に、韓国ロッテとデルモンテのコラボ商品らしき「샤인마스켓&청포도(シャインマスカット&白ブドウ)は凄かった。

外側は凍らせたゼリーのような、ねっとりとした歯応えのある層に覆われていて、中身もまた非常になめらかなマスカット味のシャーベット。

食感が違うだけで味は同じだが、全体に統一感がありすばらしい。例えるならば、みんな大好き「コロロ」を上品にアイス化したような雰囲気がある。

味も、香料や人工甘味料に顔をしかめるようなものは少なく、殆どがパッケージの通りの、文句のつけようがないおいしさであった。

 

にもかかわらず、カロリーもまた目を疑うほど低いのだ。

最低ラインは60kcalから始まりミルク系でも100kcal以下に抑えるものも。今回食べ比べた中でもっとも高カロリーなアイスでさえ180kcalであった。

日本ではもっぱらガリガリ君ばかり食べていたが、一般的な梨味(※諸説あり)が62kcal、リッチシリーズは1本130kcal〜150kcal。

どれを食べてもだいたいガリガリ君1本の範疇に収まることが分かる。

 

 

なぜ「安い」「美味しい」「低カロリー」というモンテスキューもびっくりの三項を両立させ得るのだろうか。

理由は簡単だ。一つひとつが小さいのである。

動画を見ていただければサイズ感は伝わろうが、大まかに説明するとガリガリ君の半分程度の大きさなのだ。

しかし、このサイズがなんともいえず丁度いい。

 

この企画をやって気づいたのだが、アイスに対して求めるものが満腹感でないゆえに、どのくらい食べるかよりも、1本、1カップ、1コーン、とにかく1単位分食べたということが充足感につながっている節があると思う。

もちろんサーティワン(ちなみに韓国での呼び名はバスキン・ロビンスの方だ)で雪だるまキャンペーンをやっていたらうれしい。

しかし、キッズサイズのちいさなスクープを1つ、ちょこんとコーンに載せてもらうだけでも、もうわれわれのアイス欲は満たされているのだ。

 

結果として、韓国のちいさなアイスを1本食べるだけでも、十二分に「アイスを食べたな」という気持ちに浸ることができた。

日本のアイスは1単位としては少しばかり多い。

量を少なくすることで、味のクオリティはそのままにカロリーも原価も下がり、結果的に多くの人がアイスを手に取りやすい環境が生まれる。

この無人の販売所の他に、もちろんコンビニ、スーパー、大型マートにもしっかりアイスコーナーがあり、競合かと思われたサーティワンさえソウル市内は各駅に1店舗の勢いで立ち並ぶ。

韓国では、アイスが食生活の中にきっちり組み込まれているのだ。

 

 

おまけ

 

今回最も美味しかったアイスは、

「더위사냥(トウェサニャン)」コーヒー味

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http://itempage3.auction.co.kr/DetailView.aspx?itemno=B685115728〉より

 

味としてはミルクコーヒーといった風情だが、(恐らく)40円とは思えないしっかりとしたコーヒーの風味とミルクの柔らかさが立ったアイスクリーム。

食感も他の類似形状のアイスに比べて粒子が細かく、シャーベット状ながら滑らかな印象を受ける。

画像右のレモネード味も酸味が効いていて、化学っぽい色合いにもかかわらずきちんと美味しかった。

紙パックタイプは量も心なしか多めで、すべての面においてコストパフォーマンスに優れた超優等生。先生曰く韓国でも人気のあるアイスだそうなので間違いない。

買うべし。

 

他のアイスについては、お時間が許せばゆるりと動画でお楽しみください✌︎

私は生理が嫌いだ 韓国にて

これから書く文章はきっと読んでいて心地の良いものではないと思う。

書こうと決意した昨夜に比べればまだ気持ちは落ち着いていて、ただ呪詛を唱えるだけの日記になることは免れそうだが、いずれにしろ、合わないと感じたらどうかタブをそっと閉じていただけるとありがたい。

また、私には他人の生理を体験することはできないし、その筋の専門家でもない。

 

後述するが、私は根本的に自らの女性性を呪っているので、そのような表現が止むを得ず出てくる場合がある。

しかし、この文脈における女性とは、セックス、ジェンダーとしての「女性性」という概念であり、またこれは私の身体と心の不調和に由来するものであって、実際の女性たちになんら関わるものではないという点について必ずご了承いただきたい。

多くの女性は、もちろん生理が好きな人はいなかろうが、皆立派にその気持ちと折り合いをつけて生きている。

その姿勢を深く尊敬してやまない。

 

 

「生理が辛い」と聞いて想起されるのは専ら生理痛ではないかと思う。身体に最も露骨な不調が来される、分かりやすい症状だ。

しかし、生理痛が酷くないからといって生理が軽いと判断するのは間違っている。

私が思うに、辛さというのは大きく分けて4つある。

もちろんその全てと戦っている方もいらっしゃるし、どれも重くないよ、という方だっていらっしゃるだろう。当たり前だが、人が違えば生理のあり方も違うし、その辛さのあり方だって違ってくる。

 

①生理痛

「お腹に重しが乗っているような痛み」。個人的な感覚としては単なる腹痛にも近いが、いかにもトイレに行ったら治りそうなのに、治らないので辛い。

重い方だと、べッドから起き上がれないはデフォルト、痛みで失神する、病院に運ばれるという話も度々耳にする。

生理のたびに飲む程度ならば痛み止めの副作用は出ないらしいのだが、これが日頃から頭痛持ちの方だったりすれば事情はまた変わってくる。

 

月経前症候群(PMS)

生理が近づくと、ホルモンバランスの乱れが脳神経にも影響を及ぼし、なんとなく気が滅入ったり怒りっぽくなったりすることがある。

周囲には自分も含め、過食の症状が出る人もかなり多いように感じている。

精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。

公益社団法人 日本産婦人科学会HPより

http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13

 

③経血が多い

保健体育の授業では、経血の量はスプーン一杯だと教えられた。

一週間かかって大さじ一杯くらいなら許せると当時は自分を宥めたものだが、実情は、「子宮から流れ出す血液の量が、一回につきスプーン一杯」というのが正しい(個人差があり、私は経血過多です)。

生理の間は絶え間なく血が流れているのではなく(そうだとしたらとっくに死んでいる)、不定期にまとまった量の、粘りのある血がどろりと滴りおちてくるのだ。

勿論その間隔は一時間とかではなく、数分とか数十秒である。

この不快さを文章にできる才がないのが悔しい。とにかく、今血の塊がどこを伝っているかということが、どろどろとした感触が、勉強していても、働いていても、友達と話していても、いかなる時も強引に意識の中に割り込んでくる。

 

排出する側はお気楽で羨ましい限りだが、受け止める側には限界がある。

つまり、経血が多いと漏れるのだ。

生理中は数時間おきにナプキンを交換しなければいけないが、そこまでしても漏れる時は漏れている。

ベッドに、スカートに、ズボンに、椅子に、血がついていることの途轍もない不快感。それを洗うときの悲しみといったらない。

 

ちなみに思い出したので言っておくと、経血が多い方で渡韓と生理が被る方は、絶対に何としてでも日本から必要分の生理用品を持って来られたし。

韓国の生理用品は高く、おまけに全体的に吸収力が弱めのように感じられる。

寝たら終わる。

 

④自らが女性であることを再認識させられる

女性の身体をもって生まれたことに懐疑的である者にも、生理は否応なしに訪れる。

抵抗することもできず、ただ血の流れ出すがままに任せるしかないのはあまりに屈辱的な体験であり、耐えがたい。

初潮を迎えると赤飯を出すという風習があるが、本当に不快で仕方がなかった。なにも祝われることなどなく、ただ呪いのはじまりに過ぎなかったのだから。

 

 

見ていただいた通り、私の生理の辛さというのはほぼ③と④に集約されている。

経血が多いというのは大きな声では言いづらい辛さだろうが、見えないところで生活にとても大きな支障を来すのだ。

起きている間はまだいいが、夜眠っている間に目覚ましをかけてまでナプキンを換えにいくことなんてできない(したくもない)し、朝起きたら当然シーツには血の染みがついている。

もう耐えきれなくて、家ではずっとこれを履いている。

 

 

というか、白状すると昼間でも「無理」という気持ちになった時はこれを履いて過ごしている。

もうおむつばりの吸収パッドがお腹から背中まで全力でカバーしてくれており、形も完全にパンツ状になっているので、横から漏れるということも吸収しきれず溢れてくることもほとんどない。

これで自分の生理について安心しきってしまった私は、韓国に来てこれでいけるだろうと33cmのナプキンを買い、もれなくシーツに染みをつけることになるわけだが…………

 

 

上では大きな辛さに限って紹介したが、小さいものを挙げていくときりがない。

 

・血生臭い

ーただでさえ血の鉄臭い匂いがするのに、寝て起きた時にはもう血生臭いとしか言い得ない独特の臭気が漂う。ウォシュレットで消し去っても、鉄臭さはいつまでも残る。

 

・トイレや風呂が血塗れになる

ー地味にHPを削られる。おまけに、ふんわりと鉄の香りが立ち昇る。

 

・血がついたものを洗うのが嫌

ーシンプルに嫌。エコな洗って使える生理用パンツも日本に入ってきつつあるが、押し洗いするたびに染み出す血とこびりつく鉄臭さのことを考えるとどうしても気が滅入る。

 

・タンポンや生理カップを挿れるのも嫌

ーこれは人にもよるだろうが、体内に異物を挿れたまま生活することは私にはできない。だって、ミスったら取れなくなって産婦人科行きだ。あと、これらはいずれにしろナプキンとの併用が推奨されている。

 

・気が散る

ー血が流れるとどうしても意識の前面に「今血が流れたな」が表示される。

 

・月経周期というが、周期を作ることは難しい

ー健康的な生活を送るか、ピルを服用していれば生理は周期的に訪れるが、そうでない場合はいくらでも周期はめちゃくちゃになる。生理が嫌過ぎて、ピルを飲む前はとことん不健康だったので3ヶ月くらいは平気で来なかったりした。

 

・生理が来ないと心は嬉しくても身体がダメになっている

ー不健康な生活の表れなのでね

 

・貧血になる

ーそんな大量の血が毎月体から流出してるのだから、そりゃ貧血になるのも当たり前だ。一昨日、なんか立ち上がるたびに立ちくらみがして変だなと思っていたら生理の奴の仕業だった。

 

・というかそもそも、排卵し続けることにはリスクがあるらしい

ー昔より排卵や月経回数が増加し子宮にかかる負担も増加した結果、結果子宮内膜症卵巣がんが増えている(らしい)。

doors.nikkei.com

 

・でもピルにもリスクがある

ーピルを服用することで月経周期やホルモンバランスが整えられ、PMSや生理痛も軽くなると言われている。服用中は排卵が行われず、生理だけが起こる。しかし、卵巣の負担は軽くなる一方、副作用としては不正出血や血栓ができやすくなることなどが挙げられており、海外には副作用の重篤化により製薬会社が訴えられた裁判なんかもあった気がする。

 

・ピルも生理用品もタダじゃない

ーピルを50年間飲み続け、生理用品を50×12×7=4,200個買うとしたら、いったい金銭的負担はどれほどになるのだろうか。考えただけでくらくらする。生きているだけでお金がなくなっていく。

 

 

小学校の保健体育の授業で初めて生理の存在を知らされた時、私は絶望し、泣き、どうにかして子宮を取り除けないものかと母親に懇願し、女に生まれた我と我が身を呪った。

こちらはただ生きているだけなのに、なぜ理不尽に股から血を流さねばならないのか。

ひと月に一度と言えば聞こえはいいが、一度といったって一週間だし、自分の母親のことを鑑みると、恐らくこれを4、50年、つまり480〜600回も繰り返しながら生き続けねばならない。

誤解を恐れずに言えば、今でも時々、これは何かの罪なのではないかとさえ思う。平安時代に生理が穢れとされたことも、分かる。

 

別に誰かに労ってほしくてこれを書いたわけではない。

あなたのパートナーや友人にはその人なりに何かしてほしいことがあるかもしれないが、少なくとも私は特に誰にも、何かしてもらいたいとはまったく思わない。

ただ、あなたと同じように考え、同じように行動できる人間であるにもかかわらず、生理があること、生理が重いことによって肉体的あるいは精神的に苦痛を感じ、時間やお金や機会を損失している女性たちがいることを知ってほしいのだ。

たとえばピルや生理用品がもっと買いやすくなるような税制が整えられたり、婦人科がもっと受診しやすくなったり、身体に害なく生理が止められる技術が生み出されたりしたらどれだけ救われる人がいるだろうか。

そしてまた、あなたが抱えている私の知らない苦しみも、教えてほしい。

最近わかったこと 韓国にて

クラスにシリア人の女の子がいる。

オンライン授業の時はいつも髪をお団子にして半袖のTシャツを着ているのだけれど、昨日学校で試験があって、彼女はお洒落なストライプのターバンに、シャカシャカの長袖長ズボンという出で立ちで登校してきた。

 

普段意識にのぼらないことに直面して、はっと背筋の伸びる瞬間がある。

真夏にあの格好はきっとものすごく暑いはずだ。

たとえばそれを辞めたいと思ったり、涼しげな格好で歩く女の子たちを羨ましく、あるいは恨めしく思ったりすることもあるのだろうか。

それとも、そんな浅はかな考えを超越したところに彼女はいるのだろうか。

どうしようもなく共に生きていかなければいけないもの、それはどんな人にも一つくらいあるだろうが、それを受け入れてすっくと立っている人の強さとうつくしさよ。

 

と同時に、ビデオ通話は室内のカウントで良かったんだ、という宗教の人間味にもほほえむ。

あと、彼女はその1回きりしか登校してこないので、やっぱり夏に外出るのはめんどくさいのかもしれない。

 

 

なにかをしながらご飯を食べるとどうも食べ過ぎてしまう。

昨日は、タッカンジョンのお店を検索していたら片手間に食べていたポン菓子が半分になっていた。

今日はYoutubeライブをしていたのだけど、前回ぜんぜん食べれなかったから今回はちょこちょこつまんでみたら、20時半頃に食べ始めたのにまだ満腹感が抜けない。

 

元々人より満腹ラインを見定めるのが苦手なのに、さらに他のことにも意識を分散させているものだから「まだいける」と思ってしまう。

というか、そもそも食事というのは「まだいける」で食べるものではないのだった。

味の紹介をするくらいでフェードアウトさせた方が話しやすいし、自分のためにもなるのかもしれない。

落ち込んだので昨日からまいさん(まよTV)の筋トレを、太もものやつも追加でやることにした。

起きたら太ももがくっつかなくなっていた。こんなに進化が早いなら3ヶ月くらいでシン・ゴジラになれるかもしれない。

 

 

大切な友達がnoteを教えてくれた。

読んでちょっと軽くめまいがした。

わたしはいつも脳直のイメージで文章を書いて、書きながら考えて、とやっているものだから、URLを教えてもらってまだ読む前に「文章を書くと心が休まるよね」と迂闊な言葉を発してしまって、後悔している。

彼女の方向性はわたしのそれとは違っていた。

まず日々思うところがあって、それが積み重なって、どんどん深いところにもぐってゆく。

これを書いている時、彼女は深淵にいるのだと思った。深淵で、目をつむって、自分の中にある社会の像と向き合っている。それでありながら、彼女自身のおだやかな光で、深淵をゆっくりと照らしている。

お気楽な、脱ぎ捨てた服みたいな日記と同じ地平で語るのはおこがましい。彼女は、「消費」されない人間たりえると、強く思う。

 

note.com

 

わたしも消費されない人間になれるだろうか?

周囲はわたしを消費しまいとしてくれているのに、見知らぬわたし自身が消費されることを望んでいそうな気がして、怖い。

日常を切り売りして生きている。

チャムウェがうまい 韓国にて

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気づいたら大きめのを買ってしまう

特にタイトル以上の内容はない。

 

韓国には、チャムウェ(참외)という果物がある。

たまに韓国食品スーパーなんかで「チャメ」という表記で売られているようだ。

日本名をマクワウリというウリ科の植物で、アンデスメロンはこれと何かを交配させてできた品種のようである。

簡単に言うと、より先祖に近いメロンということになるのだろう。

 

韓国にもメロンはあるのだが、とにかく安くて食べやすくておいしいものだから、チャムウェの人気はまったく衰えない。

6〜8月が旬とのことで、今の時期に生鮮市場へ行こうものなら、そこかしこで山積みになって売られている。

四方から店主たちが「ヨソッケー!」「アホッケー!」と声を張り上げるのが聞こえてくる。日本の市場の音と似ている。

わたしのよく行く市場では5,000원という値段がひとつの基準になっていて、うちは何個で5,000원だよ、というのを呼びかけているのである。

 

わたしはいつも3,000원(約300円)くらいのカゴを買うことにしている。

市場を端から端まで歩き回って、いちばん安くていちばん美味しそうなチャムウェを探す。

ちゃんと屋根はついているけれど、少し人がまばらな方の通りがあって、大体そこで買うと安い。

上の画像くらいの大きさのものが5個、1kgより少し多いくらいのを狙う。

つまり、1個で60円である。遠足に2個持っていってもまだうんとおやつが買える。

2個も食べたらお弁当が食べられない。

 

 

大きさはこぶし1個分の小さいものから、食べ応えのあるこぶし2個分くらいまで、様々なものが売られている。

店ではたとえば小さいものは10個で5,000원、大きいものは5個で5,000원、といったように体積に応じて値段がつけられていて、どうやら大きさによる貴賎の差みたいなものはないらしい。

検索してみても、大きいものが甘くてうまいという人もいれば、小さい方がやわらかくてうまいという人もいて、いまいちどっちがいいのかは分からない。

小さい方も買ってみたいとは思うものの、なんかどうしても大きい方がお得なような貧乏性が出て、結局大きいのを買ってしまっている。

 

どういうチャムウェが美味しいか、というのは、日本語でアクセスできる情報ではやっぱりみんな言うことがバラバラで、どうにも分からないことばかりである。

自分で買ってみた感覚としては、この縦に入った切れ込みに沿って黄色い部分がぷっくりと盛り上がっている(みんながよく描くカボチャのイメージみたいに)ものの方が甘くておいしい確率が高い。

大きさとしては同じくらいだし庫内にはいい匂いが立ち込めていたのだが、つるっとしたものは皮が硬くて甘みもかなり薄い印象がある。

また、これはどう頑張っても縦長に育つ品種のようで、縦長のものの方が実が詰まっていておいしい。

上に載せた左側のチャムウェは今日食べたものなのだが、丸くて触った感じも凹凸が少なかった。身を呈した実証実験である。

案の定真ん中には実割れした空洞があり、あんまり美味しくなかった。

 

 

チャムウェの皮は薄く、りんごのそれに似ている。

つまり、皮ごと食べられるのである。

もちろんわざわざ皮を食べてもあまりいいことはなかろうし、剥けるなら剥いた方がいい。

しかし、旅先や留学先で包丁を買うかと言われるとちょっと微妙なところだろう。そういう時は、そのまま齧って皮だけ後で出せばいいのだ。

(ちなみにヘタだけはなぜかびっくりするほど苦いので、噛み切ってすぐポイしよう)

そして、チャムウェは種の周りのワタ部分が最も甘いので、種ごと召し上がるのを強くおすすめする。

小さいものの方が種が未熟というのを見た記憶があるので、抵抗がある方は小さめのものを選んだ方がよいかもしれない。

 

果肉の硬さは少しシャッキリしたメロンという感じで、「夏」にもし食感があるならこういう感じではないかと思う。

日本のメロンはサービス精神が過ぎて喉にくる甘さの時があったと記憶しているが、チャムウェはよい意味でそういうことがない。

爽やかで、かつ瞬発的でない、持続性のある甘みがそよ風のように吹き抜けていく。

大きさもメロンよりは随分と小さいので、味にムラがないのもいい。

皮に近いところを食べたら無味で悲しい、ということもないのだ。全体でひとつの味として完成されている。

種は、熟しているものでもメロンよりはすこし小さめだろうか。

若めのものを選べばもっとキュウリの種のように、果肉とほぼ一体で気にならないだろう。

 

 

べつにそんなことどうでも良くて、こちとらただ安くておいしいから食べているに過ぎないが、前に検索したらカリウムが多くて火照った体を冷やすとか、カロリーがものすごく低いとか、抗酸化作用が云々とかいろいろ書かれてあった。

まあ要するに、これはいいものであるらしい。

確かに最近チャムウェを毎日食べていたら、なんか身体に溜まっていたものが色々出てきている気はする。

安くておいしいし、色々なものが出てくる(個人差があります)ので、もし機会があればぜひ試してみて欲しい。

 

韓国では果物が安いのがいい。

毎日果物を食べる生活というのは金持ちだけのものとばかり思っていたが、むしろ肉とか魚とかの方がよっぽど高い。当たり前か。

節約留学生活でも、果物を食べられるというだけで心は十二分に豊かになれるのである。

カビの生えたもち 韓国にて

大切に取っておいたお餅にカビが生えていた。

よりによっていちばん楽しみにしていたやつである。

かなり本気で洗ったら食べられるんじゃないかとにらめっこしていたのだけど、検索したら穀類に生えるカビは強力な毒をもつ恐れがあるとのことだったので、泣く泣く捨てるしかなかった。

今もお餅がゴミ袋の中からわたしを見つめている。

わたしはお餅に見つめられている。

 

 

誰が言ったでもない風説を信じて、業務スーパーで買ったレトルトのお味噌汁が100個くらい入った袋をスーツケースに詰めた。

まだ見ぬ海外生活に対してわたしが働かせられた想像力の限界である。

結果、未だ味噌汁を飲みたいと思ったことはない。

 

こういうのは、自分を信じ、普段の自分の生活をふり返ることでしか見えてこないのだと分かった。

わたしは普段から味噌汁を飲まない。そりゃあ年に一度くらい飲みたくなることもあるが、前回は今年の冬だったし、冷蔵庫にあった甘酒でよく分からない甘酒汁を作ったらそれでどうにか誤魔化されてくれた。

味噌汁に対する意識があまりにも低い。

 

じゃあ何が食べたくなったのかというと、卵かけご飯である。

先生がロッキーの話をするとクラスメイト達は笑うが、わたしだけは心から笑えない。ほんとうに生卵をコップに割って飲んだことがあるからである。

韓国では生卵をまったく食べない訳ではないようだけれど、やっぱり加熱はするだろうと相場が決まっているので、卵はパック詰めされてから1ヶ月前後も日持ちすることになっている。

業務用じゃないのに、30個入りとかで売っているのである。

もちろん最悪の場合は命を賭して生卵チャレンジすることも吝かではないが、と書いている時点でXデイはすぐそばに迫ってきている。

 

 

昨日辺りからはきゅうりの浅漬けも食べたくなりはじめた。

去年の夏は気がついたら浅漬けの素を1Lも買っていて、気がついたら自分で漬けていたので、こちらも事態はかなり深刻だ。

同じく業務スーパーから持ってきたザーサイと共にきゅうりをボリボリとかじりながら、なんとかその欲望をなだめている。

 

韓国にはトンチミという大根の漬物がある。

日本では水キムチと呼ばれているものがそれに当たるようだ。

酢そのものの痛快な酸味があり、韓国の水冷麺はこのトンチミの漬け汁を使って作るのが一般的である。

ここ1ヶ月くらいずっと冷麺が好きなのだと思い込んでいたが、最近気づいた。

使われている麺の糸こんにゃくみたいな独特の歯ごたえも、上に乗っているきゅうりや半分に切った茹で玉子、白ごまのプチプチとした食感も楽しい。

しかし、わたしが本当に好きなのは、トンチミそのものであった!

 

本来は冷麺とともに冬食べるものなのかもしれないが、わたしはこの酸味が夏にぴったりだと思う。

今食べたい。今すぐ、毎日食べたいのだ。

なんならネットショッピングのカートにはもう3kgパックがぶち込まれていて準備は完璧なのだが、まだ韓国で銀行口座をもっていないので、決済ができないでいる。

クラウチングスタートどころか、バランスを崩してフライングしかけている。

わたしのきゅうりの浅漬け欲を、この新しい欲望・トンチミ欲が押さえてなおあまりあることを願いながら、毎日ショッピングカートの中身を見つめるばかりである。

7/3 ⛅️ 🇰🇷にて

授業の合間、休み時間にいつものようにスマホをつけたら、大切な友人が大切な彼女に振られたらしかった。

話したい時にいつでも、なんでも、いつまでも話を聞くことを約束して、もし辛い時には少しでも気晴らしになって、穏やかな心を取り戻せるようなものを、あくまで私のキュレーションでしかないけれど、教えてあげることしかできなかった。

韓国のかわいい公衆電話の写真と一緒に、敬愛する古賀及子さんのブログ『まばたきをする体』を贈った。

 

mabatakiwosurukarada.hatenablog.com

 

夕方にはまた別の友人からLINEがきていた。

最近はずっとデイリーポータルZを読んでいるという。

わかる。面白い記事を読むとその下におすすめ記事がサジェストされるので、またそこから開いてしまうのだ。

一時期は、1つのおすすめコーナーの中からさらに読みたいものが2、3本出てくるものだから、DPZだけで10枚かそれ以上のタブが開いていて、もはやどこから手をつけていいのか分からなくなっていた。

ここのところ漸く減ってきたが、「寿司を桶で頼むがイカばかりである」は開きっぱなしになって2ヶ月以上経つだろうか。

 

dailyportalz.jp

 

 

私はなんでも楽しみにしているものほど後回しにしてしまうから、きっと現世に悔いを残して死んでいくに違いない。

しかし、美味しいものを最初に食べてしまったら、食卓は一気に味気なく、食べる楽しみもふいとどこかにいってしまう。

たとえその手前でお腹いっぱいになってしまうとしても、私は大好物のおいしさに思いを馳せながら生きていきたいのである。

あと、時々、思いもかけぬおかずに心奪われたり、楽しみにしていた好物がどうもいまいちだったりすることもあるだろう。

そういう時は食べる順番を変えてもいい。ひたむきに横道を歩くことで、より長い時間夢を見ていられるのだ。目的地には永遠に着かずとも!

 

 

ふたりめの友人はそんな宗教には入信していないので、今日初めて『まばたきをする体』を知り、浴びるように読んで、パン皮状火山弾のことなんかを嬉しそうにLINEで送ってくれた。

その体験の勢いがうらやましい。

しかし、私は浴びるのではなく、浸かっているのだ。

Safariのいちばん奥にこっそりと、ずっと開かれていて、たまに読み込んで、すこしだけ読んではそっとしまう。

童話の世界のまずしい女の子が、鳥のふわふわした羽根や綺麗な葉っぱと一緒に、空き缶にひっそりとしまいこんでいる飴玉みたいなものである。

たまに少しだけなめて、しあわせな気持ちになって、またそっと缶に戻す。

一度に飴玉をなめ切ることは、ひとくちずつなめることとはまったく違う、幸福の凝縮されたすばらしい体験である。

しかし、それでも少しずつ、少しずつと大切にしまっておくことで、女の子の心にはいつでも飴玉があり、どんな時でも思考の中で飴玉にふれることができるのである。

毎日『まばたきをする体』と共に生きているのである。

 

 

余談だけれど、デイリーポータルZはこんなに面白いのに無料で読めてしまうことが時々こわくなる。

もし同じような気持ちの人がいたら、デイリーポータルZには「はげます会」という会員制度があるので、一緒に入りましょう。

ただでさえデイリーポータルZを全力で応援させていただけるというのに、会員限定のイベントもあったりするのだ、月額1,000円なんて実質無料だ。

 

しかし、月額会員は政治的・または宗教的な理由から難しいという意見もあるだろう。

そういう方にはぜひ、この「買ってよかったもの」シリーズを読んでいただきたい。

 

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おすすめ商品のツイートがバズっていることがあるだろう。

試してみるとやっぱりすばらしい商品ばかりなのだが、何万人もの人がそのツイートを見ているものだから翌日には店頭から売り切れてしまうこともあるし、何より、それが正にいまリーチしたい情報である確率は極めて低い。

 

その点、この記事はすごいのだ。

ひとつひとつバズり級のすばらしい商品たちが、熱量のこもったレビューとともにずらりと並ぶ。よりによってDPZの愛読者の皆さまのお墨付きなので、目の付け所がシャープだねなんて言及するまでもないだろう。

シリーズでなんと18記事も(7/3現在!)あり、そのどれもが皆さまの知の結集なので、まず読み物としても面白い。こんなにたくさんおすすめされていれば、かゆい所に手が届く商品は勿論のこと、「私、そんなところがかゆかったのか!」というコペルニクス的転回がもたらされてしまうことさえある。

さらにさらに、この記事、なんとすべての商品にAmazonまたは楽天の商品リンクが貼ってあって、そこから購入するとデイリーポータルZに心ばかりのお金が入るようになっているのだ!

 

これで、オモコロ読者のみなさまも、ロケットニュース読者のみなさまも、心置きなくDPZに課金することができる。

こちらはほんとうに無料である上に、お役立ち商品までついてくるのだから恐ろしい。

もし私がインフルエンサーになったら、自分のと見せかけて、こっそりデイリーポータルZアフィリエイトリンクを貼っておこうと思う。