6/26 ☁︎ 🇰🇷にて +미소당 빵 리뷰

やっほーみんな、息してる?

みりちむです。

今日も昼寝では頗る変な夢を見た、私は大学生で、学校が終わってから友人2人とともにハライチ岩井さんの家へ遊びにいくのが日課で、岩井さんは毎日深夜に起き出してなにかヘンなことをしていた。なぜか長年の友人がテレビ電話で私の韓国語の発音を添削していた。

寝過ぎってのもあるだろうがそれ以上に、たぶん暇つぶしにロシア文学を読みすぎて、脳が突飛な展開なんて慣れっこになってしまったんだろう。

ロシア文学というより、ある時代の純文学全体における現象、とでも言うべきなのかもしれない(文学史に篤くないので分かりかねるが)。

また韓国語の話題が取り沙汰されたことだけが唯一感慨深い。

 

私の読みでは今日の夕方にまたPCR検査が斡旋され、明日の昼に隔離が解除されるはずなのだが、担当のアジュンマからはいつものようににこやかな声でありつつも、検査に対する言及は一言もなく。

隔離2日目に「あなたの隔離は27日の12時までです」と説明されたのだが、韓国では24時間制で時間を表示する習慣がないのでもしかすると、検査はなしで、土曜日の(夜の)12時に解除されますよ、ということなのだろうか。

いずれにしろ、明日も電話をかけてくる感じの話し方ではあったので、また明日の電話にて言及を待ちたい。

慣れ切ったとはいえ、やはりこの軟禁生活は名状しがたく退屈である。

 

今日、出前を受け取りにいくためにドアを開けたら、隣の部屋の住人は家の前にゴミを放り出していて(そのせいでゴミのないうちにもコバエが入ってくるのか!ちくしょう)、よく耳をそばだてたら普段からやたらと壁にぶつかっていたり、ドアの開け閉めがものすごく乱雑だったり、おまけに今日も全然静かなのに怒って壁叩くし、ふつうにヤバい人なだけじゃないかという想像がかなり現実味を帯びてきた。

内見に行く時は、シャワーの水圧に加えて隣人の人柄もチェックすべきというよい知見を得ることができた。

もはや、壁バンには狼狽えず、「出ていくのはお前の方だ!」と思いながら生活していきたいと思う。

 

 

さて、先日私が大量のパンを出前した話をブログにしたが、味のレビューはまた後ほど、と言ってようやく今日全てのパンを喰らい尽くしたので(イェーイ!!!)、早速その大仕事に取り掛かって行きたい。

目次は以下の通りだ。

 

 

1.生クリームパンドール (4,500원)
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砂糖だらけ

上のこなこなしたものをつまんでペロリと舐めてみたら、甘さに驚く私を横目に微細な粉砂糖が口の中でさらさらと溶けだし、(もしやとんでもないモンスターを頼んでしまったのでは?!)という恐怖が頭をよぎる。

死に物狂いで上の粉砂糖を払いのけると、姿を現したのは大きなカップケーキのような形をしたブリオッシュで、二箇所に大きな切れ目が入っており、そこに大量の生クリームが挟み込まれていた。

全部食べたらきっと命はない……と覚悟しつつ大口を開けてかぶりついてみたところ、ブリオッシュは主張があまり強くないふわふわしたもの、生クリームも甘さ控えめで牛乳クリームという感じに近く、私にはミスドエンゼルフレンチが強く想起された。

あの、見た目にはいかにもごてごてして甘そうな、しかし食べてみるとクリームは軽く、生地も空気を含みクシュクシュしたもので思いの外ぺろりといけてしまう、そんな親しみ深さを感じたのである。

ブリオッシュの皮の部分がサクサクとしているのがまたクリームのまろやかさと相まって、これはこの店で最高価格の商品ながら、おすすめメニューになるのも納得の美味しさであった。

 

2.高級バタープレッツェル (3,800원)

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ただならぬ雰囲気

むしろモンスターはこっちの方だった。

ミルクフランスのような棒状に焼き上げられたパンに、堂々たる風格の薄切りバターがデデンと2枚も挟まっていらっしゃる。

高級なバターを使って焼いたプレッツェルという意味かもしれない、という淡い期待は盛大に打ち砕かれた。

他にジャムやなんかが塗ってあるのではなく、本当に何度見ても口をこじ開けてもバターだけが挟まっているのだ……これはあんバター超えの度し難い暴挙であり、無意識のうちに(メロスを読んだことがない人でも、このパンを見たら「邪智暴虐」という単語を思い浮かべるだろう)とか考えていた。

しかも極め付けに、これが無塩バターなのだ!

日本人は塩分取りすぎ民族なので私も味覚が毒されてしまっているのか、無塩バターはどうしても脂肪の塊としか認識できず、脳が食べ物ではないと判断してしまう。

仄かにチーズのような風味も兼ね備えた、れっきとしたバターであったことには間違い無いのだが……

結局、間のバターは箸ですべてこそげ落として再利用することとし、なぜか切れ目が入っていてバターの香り漂うスティックプレッツェルとして食したところ、それとしては十二分に美味しいものだった。

カロリーの神に祟られるかもしれないのでこれまで以上に信心深く、食べてすぐ寝るなどの善行を積んで行こうと思う。

 

3.高級生食パン 1斤 (4,000원)
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薄い!

日本にいる時から食パンが好きで、当時巷で話題になっていた高級な食パン専門店をめぐり歩き、ここのは冷凍してからも美味しい、ここは生で食べるのがいちばんだとあれこれ言いくさっていた。

そんな私がいちばん楽しみにしていたのがこの「高級生食パン」である。

日本の専門店でも大体2斤900〜1,000円程度で売られているので、この価格設定は韓国でもかなり強気な方であり、それだけ素材や味に自信のあることが窺える。

 

びっくりしたのは、注文したらなにも言わずに12枚切りで届いたことである。

今まで食べてきた食パンたちは基本生食を前提としており、味が楽しめるように4枚〜6枚切りが主流であった。

それに対してこちらは、個人的には慣れ親しんだ1斤サイズより僅かに大きめの印象を受けるがにしても12枚切りは明らかに薄く、当たり前だがサンドイッチのパンの厚みである。

ところが、これはこれで悪くなかった。

まず私的な感想を先に述べると、薄いパンを何枚も時間をかけて食べることで、同じ量でもたくさん食べたような満足感が得られる。

加えて、この生地の甘みを全体が空気に触れていることで満遍なく感じられ、よりしっかりとパンそのものを味わうことができたのである。

 

なにかの素材の味が秀でるということはないものの、いかにも添加物の入っていない自然の甘み豊かな食パンで、専門店の自信に溢れた逸品であった。

ちなみに(推奨される食べ方では無いが)冷蔵庫が壊れていたことにより注文した日から数えて6日間少しずつ食べながら常温で保管していたのだが、袋の口を針金で縛り直したら乾燥することもなく、ずっと美味しいまま楽しむことができた。

 

4.栗食パン 3,900원
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宝探し気分

ここからはこの店の主力商品、味つきミニ食パンシリーズである。

長さは1斤ほどあるものの、体積としては通常の約1/3サイズのミニ食パンで、生地にそれぞれが名前に冠したフレーバーが練り込まれる構造になっている。

日本では栗といえば秋以外にそんなに食べる機会はないが、韓国ではこの栗を混ぜた「栗食パン」が各所で人気を博しているようである。

上部にはホワイトチョコレートのような風味のクランブルが振りかけられていて、内部の栗の多さを暗示するかのごとく2つほどがちらと顔を出している。

 

実はこれ、写真では伝わらなかろうが、生地自体にも栗のシロップが混ぜ込まれているようでほんのりと栗の味がする。

しかし、茶色でもなければ粒々も入っていない栗味のものを食べた経験がなさすぎて、最初うすら甘くて爽やかな土味かと思った。栗はうすら甘くて爽やかな土の味がする。

あいにく写真を撮ったタイミングが悪かったが、中心部に進むほどに、黄色い栗の甘露煮がごろごろと出現して、最後の方はパン風味の栗を食べていると言ったほうが近い様相だった。

慣れ親しんだ甘露煮より少し煮が甘い感じで、控えめな甘みにシャッキリした食感、食パンの中にあっては少し異質な存在である感が否めない。

日本でもこれ出したら売れるんじゃないか。その際は渋皮煮でぜひ挑戦していただきたいと思う。

 

5.チョコ食パン 3,300원
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チョコの海

これはもう出来レースだ。美味しいに決まっている。

上部はクッキーのような質感の異なる生地でコーティングされ、チョコチップが散らしてある。

地のパンも甘いのかと思っていたがそこが巧みで、無糖ココアの混ぜ込まれた少しビターな大人の味であり、これだけで食べても十分に美味しいものである。

食べ進めると、ハーシーのような濃厚で甘いチョコソースがふんだんに巻き込まれており、それだけだと甘さが過剰になりそうなものを良い塩梅で生地のほろ苦さが丸め込む。

贅沢に両端から食べ進めて真ん中にチョコソース溜まりを作り出し、(チョコ食パンの大トロ……)と思いながら最後に頬張った。

口の周りはもれなくわんぱく少年になったが、極めて甘美な時間であった。

 

6.竹炭クリームチーズ食パン 3,300원
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かっこいい

ちょうど分かり易かったのでレシートに書かれていた順番に従って記述しているが、時系列的には最後に食べたのがこの竹炭クリームチーズ食パンである。

実は、なぜかこれだけ通常のクリームチーズ食パンと炭入りのものと2通りの選択肢が用意されていて(しかも同じ値段だった)、身体に良さそうだしなんかかっこいいので迷わずこちらを選んだのである。

薄らと外側にクリームチーズの気配が染み出しているところがそこはかとなく白カビに見えなくもないので、もし気になる方は通常の方を選ばれることをお勧めする。

 

個人的には、地のパンも、トッピングとのマリアージュも込みで最も美味しいパンであった。

勿論炭の味はしないのだが(多分)、生地自体にほんのりとした塩味があり、これがクリームチーズととにかくよく合うのである。

皆もよく知るKiriクリームチーズと比較すると、勿論固体ではなくクリーム状になっているため軽さが出ているもののお腹にはしっかりと溜まる適度な重量感がある。

味は、Kiriのパラメータを逆転させたような感じで、酸味その他が少なく甘みに特化していて、ブルーベリーチーズケーキの白いチーズのイメージといえば伝わるだろうか。

クリーム単体ではスイーツっぽさがあるものの生地の塩味がうまい具合にそれを引き締め、あくまで食パンとしての輪郭を保たせている。

自信を持って推せる、完成された味だった。

 

7.黄金カステラ 3,900원

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カフカ

なぜパン屋にカステラが?と思いながら頼んでみた。

届いたものを見て、最初は台湾カステラ(「高円寺新カステラ」が美味しいのでお近くの方は是非)に近いものかと思ったが、食べてみるとイメージとはかなり違うものだった。

台湾カステラとは、作り方を詳しく存じ上げず恐縮だが、中国のマーラーカオを思わせる、焼きというより蒸しカステラの雰囲気があって、焼き色が薄く、生地は空気を含んでふわっ、しゅわっという他にない食感。優しさと共になぜかチーズケーキのような風味が抜けていく、本当に美味しい天国からきた食べ物である。

映画『パラサイト』にはお父さんが台湾カステラ屋を出店してコケたというエピソードがあり、韓国人にとってはこれがあるあるらしいのだが、日本にはあまり店舗自体がないし、高円寺新カステラはちゃんと繁盛しているから安心して欲しい。

 

初めて食べる韓国のカステラは、台湾カステラと日本のカステラのちょうど中庸に位置していた。

思ったよりも中身が詰まっている生地は、ソファにして埋もれたら気持ちがいいだろうなという柔らかさもありつつフカフカとした食感。

味としては日本のカステラ寄りで、淡く懐かしい玉子菓子の風味が口いっぱいに広がる。

お店のレビューを検索していたらバナナ味のカステラもあるみたいで(韓国人はやたらとバナナが好きだ)、そのせいか3口分くらいバナナの味がしたんだけど、まあなにぶん同じ味を食べ続けるのもつまらないし許す。

 

(8.100%国産にんにく食パン (販売価格3,800원))
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このあと口と部屋がたいへんなことに

なんか注文した数よりパンが多いなと思っていたら、あまりにたくさん頼んだもんだからお店の方がご厚意でおまけにつけてくれたらしかったのがこのニンニクパン。

これもかなりの人気メニューのようで、相当迷ってカートから外したものだったのでとても嬉しかった。本当にありがとうございます。

なんでこれだけ切れ込みが入ってるんだ……?と思っていたら、なんとご丁寧にも切れ目の両側にもニンニクペーストがこれでもかと塗りたくられていた。

 

表面を覆っているのはガーリックバターだと思うだろう。

ところがどっこい、これは本当にニンニクペースト、つまり「ニンニクがペースト状になったもの」であり、しかもよりによってそれがーー甘いのである。

韓国にはトッポッキみたいな甘辛メニューが多々あり、それらには概してニンニクが使われているので、ニンニク+(塩分を伴わない)甘みという組み合わせには違和感がないのかもしれないが、日本舌の私にとっては一口目から衝撃的で、そのまま食べ終わるまでずっと毎度毎度飽きずにびっくりし続けた。

時々シャリッというほどに誠実なニンニクペーストなので、翌日まで漏れなく口の中はニンニク畑だった。

外に出る身分でなくて良かったと安堵しつつも、東大門の市場付近は路上のあちらこちらにニンニクが束で売られ、空中にさえニンニクの臭気が漂っていたので、もしかしたら誰も気にしないのかもしれない。

 

 

以上計 26,700원(クレカの請求額 2,467円)。

この金額で5.5日分も食べつなぐことができた!ありがたいことだ……

冷蔵庫も直ったことだし、これからはちゃんと栄養のあるものを意識して摂っていきたいと思う。