6/15 ☀︎ 🇰🇷にて +韓国自宅隔離あれやこれや

自宅隔離3日目。

日本に梅雨があるなんて嘘だったみたいに、韓国は連日からっからに晴れている。

湿度も(恐らく)高くないので、日が沈むとかなり涼しく感じられ、いつも窓を開け放して外の雑音をBGM代わりにして過ごしている。

こうすると、家に閉じ込められた我が身も外の空気と溶け合って、一体のものになり、生気が満ち満ちていくような気がするのだ。

 

昨日のブログでは、無駄に仔細に思いを込めすぎて家に到着するところまでしか書けなかったので、今日はその続きといってはなんだが区の保健所(보건소)とのやりとりについて少し追記しておく。

 

 

空港の、帰宅の為の交通手段を訊かれるカウンターで、自分の居住区の保健所の番号に下線を引き「ここに明日電話してください」と紙を渡された。

しかし、その翌日になって気付いたのだが、どうも電話が繋がらない。

詳細は忘れてしまったが、確か私の持っているSIMカードは受信専用のショボいもので、そのために電話を発信することができなかったのではないかと思う。

その後もSMSを送ろうとしたり、誰かに電話を借りようか悩んだりと四苦八苦している間に、保健所の方から電話をかけてきて下さったのであった。

 

その内容というのは、今日中に、公共交通機関を使わずに保健所まで検査を受けに来られますか?というものだった。

恐らく入国者はその日のうちにPCR検査を受けることになっていて、私の到着時間が保健所の受付時間(18時)を過ぎていたので翌日に回されたのだろう。

この日は日曜日だったがやはり18時まで検査を受け付けているという。

交通手段としては、タクシー(運転手と対角線上に乗り、必ず窓を開け、万が一の場合に備えて運転手の名前をメモしておくこと)または徒歩ということだったので、散歩が好きな私は、また2週間会えなくなってしまうこの街をひとめ見ておきたいと、迷わず徒歩を選んだ。

 

保健所は東大門区庁の横、清涼里市場のすぐ近くにあったので、1歩進むごとに活気を増していく町に自然と心も浮き足立った。

清涼里駅の手前から既にそう広くはない道の両側に野菜や果物や米なんかの出店が並び、一様にパーマをかけたアジュンマが勢いよく世間話をし、アジョッシは奥で寝転がったりしていた。

健康的にツヤめくトマトが1kg3,000원(約300円弱)で売っていたりして、この時はまだ昨日に入国してから何も食べていなかったので(!)、市場で買い物してもバレないんじゃないか? と思ったりもしたけれど、バレたら嫌なので涙と唾を飲み込んで歩き続けた。

韓国の街を見て感じたこと、あと市場と私の食事事情の話なんかはまた別の日に書くので楽しみにしていてほしい。

 

 

道のりは約2kmで、確か20分ほど歩いたと思う。

保健所の駐車場の横に仮設テントが数個連なって建てられていて、そこに防護服を来た職員の方が4人ほど座っていた。

看板の字を読もうと立ち止まっていると、男性職員の方が声をかけて下さり、最初の机へと導かれた。

そこでは、まず手を消毒してビニル手袋をつけてから、名前やパスポート番号、住所、韓国以前に滞在した国の詳細などなどを書類に記入する。

昨日散々空港でやった内容なので手慣れたものだが、職員の方もたまに私が詰まっていると英語で一生懸命説明しようとして下さり、とても助かった。

それが書けると次の机では、女性職員が2人座っていて、私の書いた書類を確認しながら一部の情報を転記し、検体容器のシールに私の名前を書き込んでくれる。

 

そして最後に、件のPCR検査である。

これまた完全防備の職員の方が、手際良く検査キットの長い綿棒のようなものを、1本は喉の奥、もう1本は鼻の奥にそれぞれ挿れて検体を採取して下さった。

私はインフルエンザの検査というものをしたことがないのだが、昔見たニュース映像を思い出す限りそれと似たようなものではないかと推測される。

喉はいいが、鼻の奥がとにかく痛くて、暴れたり泣いたりなんかはしなかったものの、脳内ではずっと、勢いよく鼻血が吹き出しスプラッタ映画のように職員の方にむけて降りかかる映像が再生されていた。

日曜日でも変わりなく検査が受けられること、最小人数で、感染リスクに配慮した運営が為されていること、日本ではコロナらしき症状がある方でさえ気安く受けられないPCR検査がこんなにフラットに、かつ極めてスピーディーに実施されている状況に感銘を受けた。

韓国のこの体制が成立しうる背景には監視社会や徴兵制があり、日本とは訳が違って長い視点で見ると何とも言い難いが、この短期間における感染症対策としては、やはり韓国の方がより優れていると言わざるを得ない。

 

ただ1つだけ疑問点としては、事前の電話で検査終了証が渡されるのでそれにサインしてカカオトークで送信するように言われていたのだが、特にそのようなものは貰えなかった。

そう書いて送ったカトクには未だ既読もついていないが、特に何か言われたりはしていないので、多分大丈夫だったのだと思う。

(→追記 衛生セットの中に入ってました!!!!!)

救済措置が多々設けられているので問題は起こらないのだが、場所によって言われることが違うというパターンが時々見受けられ、その細々とした対応が負担になりはしないだろうかと少しばかり気になった。

 

 

検査結果は翌日に知らされるという言葉の通り、今日電話がかかってきて、「あなたは2週間後に外出できます」とのことだった。

うん、恐らく陰性という意味だろう。

噂によると、入国してから14日目(私の場合は26日)に再び保健所で検査を受け、翌日昼に陰性と分かった場合は自宅隔離が終了するようである。

私自身の隔離も、電話で27日の12時までと伝えられているので、このスケジューリングで正しいはずだ。

 

補足しておくと、最初に電話して下さった保健所の方は日本語も英語も話せなかったが、私が韓国語が聞き取れないのが分かると、すぐに通訳の方を挟んでくださり、優しいアジュンマと3人で交互に会話することになった。

そのためか、保健所の担当職員の方も英語と日本語が若干わかるこれまた優しいアジュンマをつけてくださり、たいへん助かっている。

 

保健所からは今のところ1日に2回電話がかかってきていて、そこで体温と、咳などの症状の有無を確認される。

また、それとは別に大学側からの体温確認メール(これは語学堂によっても対応が異なるだろう)と、「自宅待機者の安全確認」アプリでも体温を連絡しなければいけない。

ちなみに、アプリは毎日何時と決まっているという話だったが、実際に使ってみると特に定時が示されたり通知音が鳴るようなことはない。

アプリのメイン画面に大きな青色の丸が表示されていて、それが赤色になったら「前回報告から時間が経っているので新しく体温を報告してください」というサインである。

広く様々な言語に対応している上に、アプリ自体も極めて視覚的でわかりやすいデザインが採用されている。

 

 

今日はもうひとつ、ちょうど語学堂の점심 시간に保健所の方が家まで衛生セットを届けに来て下さった。

このセットには、自宅隔離者用のオレンジにかっこいい汚染マーク(ポジティブ)のついたゴミ袋と、昨日電話でも説明されたゴミの捨て方などを改めて明記した書類たち、加えて「簡易」と聞いていた割にはパッケージに入ってかなりしっかりした体温計と、マスク約10枚、500mLとかなり大容量の消毒スプレー(塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムという殺菌剤に使われる薬品が主のようだ)が入っていた。

外国人で特に税金も納めていないのに、こんなに手厚い支援があることが非常にありがたく、見知らぬ土地での人々の優しさが身に沁みる。

あとは食料が届けばいちばん嬉しいんだけど……(???)

 

危険人物としての自覚が足りず、誰かが家を訪ねてきた時に焦る気持ちが先行してマスクつけ忘れるの明日はやらないようにしたい。

では、お腹が空いたので、今日の夕飯をチキンにするかジャジャ麺にするか考えます。

またね!