6/16 ☁︎ 🇰🇷にて

昨日は結局、なぜかジャジャン麺でもチキンでもなく、トッポッキとスンデと諸々とツナマヨおにぎりを頼んでいた。

ツナマヨおにぎりは金額合わせ(デリバリーには合計料金の下限があり、大体のお店で13,000원〜16,000원程度に設定されている)と、後はまあ完全に興味で頼んでみたのだが、これが面白かった。

少し前に一瞬流行った「おにぎらず」のようにご飯で具のツナマヨが挟み込まれており、それゆえ丸みをおびた三角形の側面ほぼすべてからツナマヨが溢れ出していて、「日本のおにぎりは具が少ない」と言われる所以ここにあり……と感心した。

しかも、海苔もちゃんとついているのだが、日本のように一枚海苔で巻くのではなく、韓国のりのもみのり?短冊上の細かい海苔たちが全体にまぶされているのだ。

つまり、全然握らずに作られている可能性が高い! 2000원という値段にもかかわらず爆弾みたいなサイズ感で届いたのも相まって1人で大ウケしてしまった。

 

韓国は日本よりも概して物価が安く、既定の値段まで頼むと大体2人分前後の量が届くことになる。

その上、私は今たぶん五畳半くらいの面積の自宅に押し込まれていることもあって、本当に申し訳程度の筋トレと入浴くらいでしかカロリーを消費しない毎日を送っている。

普段の私からは想像もつかないくらい、お腹が空かないのである。

結局昨日の夕食は、残しとくとまずそうな天ぷら類(キンマリとか)から食べたのちに今日の昼食に回されたのだが、なんとそれでもトッポッキが余ってしまった。

加えて、突然お恥ずかしいことを暴露すると、今家の冷蔵庫が壊れているのか動き出すまでに時間がかかっているのか、なぜか庫内に温風が吹き荒れていて、とても食品を保管できる状態ではない。

なので、カプサイシンの殺菌能力に期待してお腹が空くまで待つしかない……吹きさらしのトッポッキを目にするののどれだけ辛いことか!

 

 

はい。

ということで、今日はもう一昨日のことになって記憶の存続が危うくなりかけているので、韓国の街並みについて書いていきたいと思う。

私の海外生活経験が極めて乏しいので、恥ずかしながら私の見知った日本の街並みとの比較しかできかねるが、そこだけはご了承ください、、

 

私の家は2つの大学のお膝元のような地区にあり、そのためか通りを見下ろすと歩いている人々はほぼ全員が若者で、大体20代半ばくらいまでの年齢層という雰囲気である。

すごく雑に説明するなら、円状に発展した高田馬場という感じだろうか。

大学と駅の周りに、そこから波及するように多くの店が連なっていて、あまりどこがメインストリートだとかいう感じはない。

1階の玄関から駅のほうに向かって歩くとすぐ角にスターバックスがあるだなんて、考えただけで空恐ろしい。

 

ここら辺には少なくとも日本とほぼ変わらぬ頻度でコンビニがあるようだ。

ローカライズされているらしき小さめのセブンイレブンが地域の覇権を握っており、CU、GS25といった韓国オリジナルのコンビニチェーンがその後に続く。

ドトールのような入りやすい雰囲気のカフェチェーンもあり、銀行のATMもあり、決してソウル市の中心街ではないのだが、東京の似た立ち位置の街と同等またはそれ以上に栄えている印象がある。

 

 

面白いのが、(当然のことだろうが)日本とは街のバランス感が大きく異なる点である。

少なくとも私の住む街では、建物は低く、小さく、詰め込まれているような印象があり、日本より圧倒的に多くの店が、ぎゅっと密集しているように感じられる。

これらの店の多くは上階に居住スペースをもっていて、そこに人が住んでいるというのだから、もうヘンでヘンでワクワクが止まらない。

その低層の感じ、こまごまと寄り集まっているイメージや看板のデザインが、街並み全体にそこはかとなく古き良き空気をまとわせる。

日本ではもう無くなりつつある電線が家の前を凄まじい量走っているところや、後述する清涼里市場周辺なんかはもはや中国の片田舎とか想像の中の東南アジアを思わせるローカル具合である。

 

で、さらに聞いて欲しいのが、この凝縮感に反して街の設計の規模が異様にでかいのだ。

少し歩いて大通りに出るとそこなんかもう片側3車線だし、信号機の腕も車道のものが歩道から見えないほど長く、信号待ちの場所にはでかい傘が上から吊り下がっていたりもする(どうやら日除けのようだ)。

これは仁川空港に着いた時も、タクシーの車窓から高速道路と夜景を眺めている時も思っていた。

道案内や広告の看板が、やたらと太く、大きく、力強い。

もしかすると街が大きいが故に店がより小さく見えてしまっている部分もあるのかもしれない。それくらいなんというかアンバランスな世界観を両立させている面白さがある。

超粗雑にまとめると「アメリカ・スケールのうっすら日本っぽい中国」みたいなところだろうか(よく考えたらアメリカも行ったことない)。

 

うっすら日本っぽい、という部分に関しては、まあそもそも中国よりは地理的に日本に近い場所にあるのだから、当然といえば当然かもしれない。

少なくとも街並みに関してはまったく見慣れぬ、という感じはしない。

また、聞こえてくる韓国語の響きも、そこはかとなく中国語らしき発音と日本語のような発音がところどころに交錯するような気がしてくるのだ。

そのお陰か、今のところ日本が恋しいとか帰りたいとかいう気持ちにはまったくなっていない。あれ買いたいなとか映画館行きたいなとかはある。

 

 

清涼里市場を先程「想像の中の東南アジアを思わせる」と形容したが、本当に私の住む街から歩いて行ける距離にあるとは思えない場所であった。

通りを歩く人々はうってかわって中年層の方々がその大部分を為し、コーヒーショップと歩道まで歌謡曲を轟かせる靴屋が軒を連ねる。

市場に近づくに従って道の両脇に露店が出始め、その様子はたとえば日本の道端でフリーマーケットを開いている様に似ているのだが、何しろ売っているものが生鮮食品である。

全体的に価格は輪をかけて安く、普通サイズのかぼちゃやトマトを1kg山盛りにしたカゴなんかが2000원〜3000원(200〜300円弱)で売っている。

バナナもたくさんの房がついた塊がまるごと3000원、値段は忘れてしまったが果物だとスイカや、野菜はトウモロコシの蒸したの、流石という感じの大量のニンニクの束(!!)なんかがよく売られていたと記憶している。

ちなみに街はニンニクの香りがした。

 

野菜や果物は(1軒だけハロウィン用みたいなおばけカボチャが積んであったところ以外)ほぼ見覚えのあるものばかりだったが、魚は凄かった。

というか、まず道路脇の密集した露店でも魚を売っていること自体に驚きを感じてしまう。

まあさすがに露店は1、2軒くらいのものだったが、太刀魚やアジ?サバ?なんかの塩をまぶしたものを売っていた。とはいえ不潔感はないのだが、何せ虫も飛んでいるのでちょっと怖い。夏だし。

それ以外の店は清涼市場本体の中やそのすぐ前の通りの、割と設備がしっかりしている常設らしきブースにあって、なんと凄いことにほとんどの店にいけすが置かれ、その中では見慣れぬ魚たちが蠢いていた。

少し話が逸れるが通りにはいけすのある魚料理屋もあり、10個(!)ほどある水槽はすべてタイやイカ、スズキなど見覚えのある魚で埋め尽くされていたのだが、市場で最も大量に扱われていた魚は、あれは恐らくドジョウだったのではないかと思う。

中にはそこまで狭くもない水槽にも関わらずあまりにぎゅうぎゅうに詰め込まれているものだから、水面がドジョウでできているのではないかとさえ思う水槽もあった。

そうかと思えば、その同じ水槽でタラとサメの中間みたいな大きくて威圧感のある魚が5匹ほど悠々と泳いでいたりもした。

また、岩似のタニシみたいな貝もいくつか売られていたのをみたが、あれはもしかして小さいサザエだったのかもしれない。

魚屋を見ていると築地を、肉屋を見ているとハナマサを思い出すような、買い物できない身にはいづらさもありつつもとても興味深く心地よい空間だった。

 

ずっと生鮮のことを書いてきたが、実はこれと並行して突然衣服の露店が出てきたり、小さいスペースに所狭しとパンが並んでいたり、雑多にカゴに入れられたマニキュアが1000원(100円しない)で売られていたりするから、市場はまだまだ奥が深い。

外に出られるようになったら、真っ先に市場へ行って、バナナとトマトをたくさん抱きしめて帰りたいと思っている。

 

 

少しだけ今日の話をしておくと、先日동대문구の保健所から届いたものに加え、今日は大学からも支援物資が届いた。

これまた隔離に関する資料と、登校開始前に持参するように言われた体温チェック表、なんかドイツ国旗っぽい柄のパッケージなのにいかにもメイドインチャイナ顔の白くまの体温計(可愛いので今日からこれを使うことにした)、加えて黒マスクが2枚と白マスクが1枚、白マスク用のフィルタが5枚も入っていた。

マスクはすべて布製である。

届いた時は体温計2つもいらなくない??と思っていたが、まあ確かにいらないんだけど、ちゃんと区の物資とは差別化されて、これはこれでちょっといい物が届いた感じで嬉しかった。

しかし、封筒が体温計の箱の部分で思いっきり破れて届いたのは海外クオリティーで良い。

 

保健所からの電話は1回だけだった。

白くまの体温計を使ったら最近記録していたより少し低めの体温が出て、アジュンマにそう報告したら「低いですね〜」と言われ、低くてもコメントするのかいっ!と電話の向こうでニコニコしてしまった。

今まで使っていたのはスピード体温計みたいな、数秒で結果が出る物だったので、こちらの方が正確な数字のはずだし、てっきり老化でもして基礎体温が上がったのかと思っていたので久々に見る35℃台に安堵したという方が正しい。

そういえば病院で診断書を出してもらった時も、1時間弱歩いて行ったら体温が36.8℃とか書かれてしまい、私の基準だとこれは熱だな……と内心焦ったのを思い出した。

わたしがもしコロナに罹ったとして、検査を受けられるほどの熱が出るだろうか。